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株式会社ナノフィルム テクノロジーズ ジャパン -DLCコーティングのパイオニア-

NanoFilm Technologies Japan Limited

適用事例

ハードディスク スライダー

ハードディスク装置の飛躍的な性能向上を図るためスライダーヘッド保護膜の極薄膜化が検討されて来ました。ヘッド/ディスクのナノスペーシング化に伴いヘッドのディスク面への接触による摩損を最小化するために、より硬く弾力性に富んだ炭素膜が必要となり、耐食性に優れたピンポールの無い緻密な膜が要求されてきました。これらの要求性能を満足しパーティクルフリーで生産性の優れた炭素膜としてFCVAコーティング方式によるta-C膜が業界標準的に使用されています。

従来のCVD方式によるDLC膜では、薄くなるに従い耐磨耗性と耐食性能が劣化し特に4nm以下の薄膜領域では実用上問題となりました。図1(ta-C膜とDLC膜のスライダーヘッドにおけるピンホール数の比較)はスライダーヘッドの耐食性能について電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ CVDによるDLC膜とta-C膜とのピンホールの差異を示しています。 現在、このスライダーヘッドでは1.5nmの薄膜が実用化されています。更なる性能向上を図る垂直磁気記録方式ではディスク面の保護膜としてもta-C膜の適用が検討されています。スライダーと比較してより短時間にコーティングする必要性があり、(1)コーティングプロセスの安定性と膜品質の再現性の確保と(2)マクロパーティルの低減が課題となっています。

図1(ta-C膜とDLC膜のスライダーヘッドにおけるピンホール数の比較)

プリント基板切削用ルーター

プリント基板切削用のルーターは寸法精度を維持しながら長寿命化を実現する事が課題でした。そのためには従来のDLC膜に比較して硬度・平滑性・弾力性及び基材への密着性に勝る炭素膜が必要となり、FCVA方式によって生成されるta-C膜はこれらの要求性能を満たし図2(寸法精度内の加工長及び、工程能力指数Cpkでの比較)にあるように、寸法精度内での加工長を飛躍的に長くし、工程能力指数Cpkの改善を可能としました。

図2(寸法精度内の加工長及び、工程能力指数Cpkでの比較)

精密金型

デジタルスティルカメラや携帯電話に代表される小型端末機器においては、より高い性能が期待できる非球面レンズが必要となってきています。圧縮成型されるガラスレンズ用金型は、耐熱、耐磨耗、離型性に優れ、高価な金型の再利用化もコスト的に重要課題でした。従来のDLC膜は硬く、摩擦係数も低くこれらの要求性能を満たすコーティング膜として採用されて来ましたが、ガラス硝材の性能多様化に伴い十分な成型寿命を実現出来ないケースが発現してきました。

図3(金型寿命の評価例)

Ta-C膜はダイヤモンド結合Sp3成分が多いことでDLCに比較してより硬く摩擦係数も低く、更に反応性エッチングにより容易に金型面から剥離できることからDLC膜に置き換わって採用されています。尚、単純なta-C膜ではレンズの成型図4(精密金型用コーティングシステム)中に金型からの剥離が起こりやすく、FCVAコーティング方式の特徴であるバイアス電圧付加により多層膜を実現しこの問題をクリアしています。図3(金型寿命の評価例)は具体的な評価データであるが寿命が従来のDLC膜に比較して4倍になったケースです。図4(精密金型用コーティングシステム)は精密金型用に開発されたFCVAコーティングシステムでロードロックチャンバーとプロセスチャンバーを備え、クリーニングルーム側のオペレータ部を前面に設け背面をメンテナンス部とした構造になっています。ヘビーデューティー生産にも堪えるシステムとなっています。

 

 

縫製針

縫製業界では熾烈なコスト競争に打ち勝つためより高速で、長寿命化によるLow Cost化の施策が検討されてきたが縫製機の高速化に伴う熱と磨耗の問題が顕著になってきました。例えば7000rpm以上の高速領域では縫製針は300℃にも達し、糸や繊維との接触による磨耗と染料や漂白剤からの腐食作用を受けることになり、短寿命を余儀なくされてきました。この問題を改善するために、針の材料とコーティングの両面からの研究が進められてきました。図3(金型寿命の評価例))は種々のコーティング材料とセラミック針(図中CMと表記)との硬度の比較ですが、ta-Cが各段に硬く耐磨耗性に優れている事が判ります。更にta-C膜が化学的不活性であることで、縫製過程で発生する腐食要素に対する耐性に優れています。更にta-C膜の有する低摩擦係数により高速縫製過程で発生する摩擦力にも耐える事が出来、結果として生産性の大幅な改善に寄与しています。