Nanofilm Technologies Internationalは、Shi Xu博士が開発したフィルター型カソーディック真空アーク(FCVA)技術の事業化を目的に、ナンヤン工科大学からスピンアウトして1999 年に設立。高硬度ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、水素フリーDLCコーティングであるta-C(テトラヘドラルアモルファスカーボン)膜の量産対応成膜装置の開発を機に、操業を開始。
FCVA成膜による水素フリーDLCコーティング(ta-C)は、ドロップレットの生成がなく、平滑性・均一性に優れる成膜表面を実現できることから、ハードディスクドライブ(HDD)の高記録密度化に貢献するヘッド保護膜や、ガラスレンズ金型の離型膜として適用が進んだほか、近年では、携帯端末・コピー機器などの装飾・機能膜などにも採用。ドロップレットの生成防止によって表面仕上げなどの後処理を大幅に軽減でき生産性向上や生産コスト低減に寄与できることや、10μm以上という厚膜・高硬度化を実現したことなどにより、近年では自動車分野でも適用が進んできています。
現在では、シンガポール、日本、中国、ベトナムに拠点を構え、3,000人を超える従業員となり、2020年にシンガポール証券取引所(SGX)に上場しました。
ta-C膜の量産対応FCVA成膜装置を販売しているほか、成膜サービスを強力に展開。2002年に設立された上海第1工場に加えて2021年には上海第2工場を新設、稼動を開始。上海第一工場と併せて大型炉100台以上の受託加工の大量生産体制が確立し、成膜サービスの量産体制をさらに拡充しております。そして日本国内においては、2022年度より受託成膜加工の拠点が稼働いたします。
日本法人ナノフィルムテクノロジーズ ジャパンでは、FCVA成膜によるta-C膜やMiCC膜などの機能性コーティングについて、HDDから精密ガラス金型や半導体パッケージ封止金型、多機能プリンター、自動車部品などへと用途開発を進めてきましたが、電気自動車や燃料電池車など新しいマーケットでの機能性コーティングに対する各種のニーズに対しても、受託加工および成膜装置販売を通じて課題解決のソリューションを提供していきます。
株式会社ナノフィルムテクノロジーズ ジャパン
取締役 川上 達哉